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2009年2月17日

履歴書〔第二版〕

あ,もしもし?履歴書書いてるんだけど,書き方これでいいのかな?
ちょうど良かった.俺も書いてるところ.

中学校の卒業って何年だっけ?
7年,8年前じゃね?予備校って書くの?
書かなくて良いよ.で,大学卒業見込み,と.
職歴は?
なし.バイトは書かないらしいよ.あ,私の短所は?
すぐ感情的になる.
なるほど.妥当だわ.
妥当って何だよ,妥当って.
的を得てるってこと.
自覚してるなら直せって.
イッツブルーローズ.
何だって?
秘密.
青いバラ?何だよそれ.俺の短所は?
すぐ下ネタに走る.
なるほど妥当だなっておい,そんなこと書けないだろ.
私の長所は?
お母さんみたい.
面倒見が良い,ね.ありがと.後,よく気がつく.
拡大解釈しすぎだろう.俺の長所は?
物事を冷徹なくらいに客観的に見られること.
何だよ冷徹って.冷静だろ?
客観的過ぎて当事者としては凹むこと多数なくらい客観的.
え,お前凹んでたの?いつ?
むしろ客観的過ぎて自分が当事者だとも気づかない.
え,それいつのこと?
言い方を変えると鈍感.あ,これじゃ短所だ.
鈍感って,確かに鈍感だけどさ.短所のときにそう言えってば….
思い出したら悲しくなってきた.頭冷やしてくるから切るね.
ちょ,待て,おい,いつの何の話をしてるんだ.待て
ツーツー

2009年2月11日

山椒魚の夢〔第二版〕

もしも神様がいるのなら
私たちはきっと一番のお気に入りだっただろう.

間違いを探すのならば,最初から間違っていた.
間違いを犯した私は,神様の一番のお気に入りになれたはず.
一番のお気に入りの暇つぶしの玩具.
あがくたびに起こる何かが神様を楽しませて.
それももう終わり.
神様,十分楽しまれたでしょう?
彼はもう,あなたの玩具じゃない.
玩具なら,私一人で十分でしょう?
だから神様,早く彼を解放してください.
お願いです,残酷な私の神様.

2009年2月 3日

潮騒

潮のにおいがする。
つま先が日に焼けたコンクリートを踏む。
ワンピースの裾が舞う。
どこかから、呼ぶ声がする。

考える。
1年の間に起こったことを。
思い返す。
1年間の出来事を。
理由を付ける。
1年間分の言い訳を。

彼とは色々あった。
良い思い出もそうでない思い出もある。
全てのわだかまりは溶かせない。
けれども。
そんなことは問題じゃない。
何があったのか。
何をしたのか。
何をされたのか。
そんなことは重要じゃない。

私が彼に抱いた想いの本質は変わらない。
だから。
それで良いじゃないか。
私が彼のことをどう想っていたか。
大切なのはそれだけだ。

堤防を降りて砂浜を歩く。
指に砂が挟まる。
私を呼ぶ声がする。
振り返ろう。
あと少しだけ、『今』に留まるために。