閉幕
終わってしまえば、ずいぶんとあっけない。
予兆は春と引き換えに
始まりは雨とともに
そして
秋の気配が来て、去った
始まりと同じくらい唐突に
しかし、始まりよりも優雅に
ゆっくりと幕は降りる
終わってしまえば、ずいぶんとあっけない。
予兆は春と引き換えに
始まりは雨とともに
そして
秋の気配が来て、去った
始まりと同じくらい唐突に
しかし、始まりよりも優雅に
ゆっくりと幕は降りる
貴方と私は違う人間で
どうしても伝え切れなくて
すれ違うばかりで
貴方は遠すぎて
幾夜も私は枕を濡らして
貴方と私は別の人間で
知らないことばかりで
分からないことだらけで
貴方には届かなくて
私の涙を貴方は知らない
これが最後かもしれない
もう会うこともないかもしれない
それでも私は
貴方を忘れることはない
永遠に忘れることはない
貴方を恨むこともない
貴方を憎むこともない
時が流れて残った今を
私の元に残った今を
受け入れ生きていくしかない
今日はあんな記念日で
明日はこんな記念日で
ひとつひとつをたどってみても
かけがえのない今日という日
貴方を失うということを
リアルに感じたそのときに
とても耐え難い
痛みを感じた
私の貴方は夢の中
深くて深い夢の中
離れていても逢えるよう
貴方は深い夢の中
眠りの先に夢があり
夢の先には明日がある
月を見た
満月は明日
まだ満ちきってない月
限りなく満月に近い月
それでも
綺麗だった
明日よりも今夜の方が
好きかもしれない
満ち足りて
欠けるのを待つだけよりも
これから満ちる
希望があって