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ある快晴の日に

新幹線の車内で思いついて書いたもの。
辞書無しで書いたので文章の幼稚さは堪忍してくださいw

此処から―――――――――――――――――――――――――

路面電車を降りると冷たい風がまとわりついてきた。コートの襟をかき合わせ、ドームの正面へと向かう。空に雲はなくとも、まだ寒い。
遠くに見える芝生広場。
駐車場の観光バス。
これらが自分の居場所を錯覚させる。
ドームの正面に立ったとき、不意に『あつさ』を感じた気がした。ドームを見上げるとそれは一層
強まった。
そのままの姿勢で手袋を外し、マフラーも取り去る。それでは足りず、コートも脱ぐ。気がつくと夏服を着ていた。
ドームの緑色の屋根が朝日を反射している。
ポケットを探ると7時代を示す腕時計。空は快晴で、視界の隅に落下傘が見えた気がした。
時計の針がめまぐるしく廻る。
8時をすぎ、8時5分、8時10分。
「少年だ」
頭の中に聞こえた。
「太った男、違う、痩せた男。否、少年だ」
そんなふうに聞こえた気がするが、錯覚かもしれない。
そして閃光。
爆音。
熱風。

「さむっ」
気がつくと、寒空の下にコートも着ずに立っていた。
芝生広場には鳩が歩き、バスからは観光客が吐き出されている。
いつもと変わらぬ光景があり、ヒロシマのドームは屋根の骨組みを晒している。

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コメント

最後が分かりにくいとの指摘があったので、少し書き換えました。

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