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2009年6月12日

今後のやばい位揺るぎある予定

たまには更新します。

やばい位
揺るぎある
予定

略して

やゆよ

無駄に気に入ったので今後頻繁に使用しよう。

最近頻度が下がっていますが、梅雨明けまでにやりたいこととしては
・掌編2つ
年内には何とかしたいこととしては
・Nscripte仕様の『鴨川奇譚』リメイク
・ナツメちゃん&雛菊シリーズを本格始動
来年秋までに挑戦くらいしたいこととしては
・苑子さんシリーズ完結

上から順に。

掌編二つは脳内では完成。
アウトプットがうまくできてない状態。
なかなか忙しいんですよ…。

鴨川奇譚は学生時代中に何とかしようと思った。
思っただけ。
前よりまともな選択肢を作りたい。

苑子さんシリーズは完結と言うか第一幕の幕をおろしたい。
伏線の回収が目的。
まだ貼ってない伏線だらけだけどね!

とまあ、やりたいことは結構あるんですが、いかんせん時間がない。
…。
ごめんなさい。嘘を言いました。
ないのは時間ではなくて、才能とやる気です。
とりあえず、足掻けるだけ足掻いてみます。

2009年6月 2日

川の向こう側

「もうすぐ七夕ですね。今年の…」
テレビから流れる、そんな話題を耳にした娘と、七夕飾りを作ることになった。
一度やり始めると凝ってしまう性分故、案の定と言うかなんと言うか、途中で材料が足らなくなる。
「ナナちゃん、暑いけど、色紙買いに行こうか」
「行くー」
母娘二人、日陰を選びながら橋を渡る、夏の空の下。

「ママー、これも買ってー」
「お菓子は一個だけだからね」
「髪の毛のゴムは?」
「それも一個だけよ」
安くなったものだ。私が子どものころは、100円ショップなどまだなくて、100円で買えるものは数が知れていたというのに。
「あ…」
棚に、懐かしいものを見つける。
学生時代、よく買っていた焼き菓子。
毎週毎週、これを買っては差し入れをしていた。あの人に。
恋人と呼ぶにはあまりにも遠く、友達と言うにはわずかに近かった同級生。
私が差し入れるそれを、いつも1週間で食べきって、空になった容器を部屋の隅に積み上げていた。
「片付けないの?」
「散らかしてはいないよ」
そんな会話を繰り返しながら、私は彼の元へ通い続けた。
いつも同じ箱を持って。
友達には、何度も聞かれた。
いつまで続けるのか、と。
友達以上になれるまで続けるつもりなのか、と。
自分が何と答えたのか、今となっては思い出せない。
続けていれば、いつかは恋人と読んでもらえる日が来ると、信じていたのかもしれないしそうではないのかもしれない。
もう、済んだこと。
学生時代の友人とも、ほとんど連絡を取っていないし、彼とも年賀状のやり取りがあるだけだ。
今更考えたところで、どうにかなることではないんだから。
「ママー、どうしたの?」
娘に手を引かれて我に返る。
「大丈夫よ。さ、お金払ってお家に帰りましょうね」
少し考え、思い出の品をかごに入れる。
「ママもお菓子は一個だけ、ね」
「ママえらいのー」
帰る道すがら、織姫と彦星の伝説を語って聞かせる。
天の川が二人を分けたこと。
七夕は年に一度、二人が会うことができる日であること。
話しながら、川と言う言葉から三途の川を連想する。
「縁起でもない…」
口に出しかけて、ふと思う。
賽の河原の子どもたちは、罪を償うため、ひとつふたつと石を積むという。
私もそうだったのかもしれない。
友達ではいられなくなり、それでも恋人にはなれないような、そんな罪。
それを自覚して、彼の元へ通う。
言うならば、贖罪。
賽の河原で子供たちが積み上げる小石の如く。
ひとつ積み、ふたつ積み、見えない誰かに許しを請う。
自分がしたことを許してもらえるように。
彼がしたことを許せるように。
彼もまた、賽の河原の子どもだったのかもしれない。
積み上げることによって、私と、自分自身を許せるように。
「ママー、たなばた晴れるかな?」
「どうかしらね。帰ってきたら、パパに聞いてみましょうね」
七夕が来る前に、学生時代の友人に、連絡をしてみよう。
できれば、彼にも連絡をしてみよう。
今なら、許せるかもしれない。
お互いを。