三往目
Dear Takashi.S
昨日は、電話くれてありがとう。
うまくいえなかったけれど、すごく嬉しかったよ。
すばるちゃんが、女の子に生まれてたら良かったのかな。
私が男に生まれていたら良かったのかな。
それとも、ずっと近くに住んでる幼馴染だったら好きにならなかったのかな。
私は、あのことで、日和さんや弥生さんに勝てた気がしてた。
勝つためにそれをして、勝った気でいた。
すばるちゃんが、私をすばるちゃんのものにしてくれた気がしてた。
あのまま、すばるちゃんが私から離れられなくなれば良いとさえ思った。
だけど、それは違ったね。
昂にとって私は、幼馴染のままだった。
私は、彼女たちと戦えてさえいなかった。
仮に戦えていたとしても、結果は惨敗だよね。
後悔してるわけじゃない。
何度もすばるちゃんの部屋の天井を思い出したけど。
私の意志で選んだことで。
私の意志で、すばるちゃんにそれをさせた。
だけど、その結果として、すばるちゃんとの距離が遠くなってしまったこと。
それだけが、今でも悔やまれてる。
いっそのこと、ううん。なんでもない。
あの時にこうしていたら、なんて馬鹿げたことを考えたりもしてます。
恋愛に、もし、たら、れば、なんて必要ないのに。
くよくよ考えるのは、もう終わりにしなきゃね。
一つだけ、確かなことがあるとすれば、私は今でも昂の幸せを祈っています。
誰よりも、昂の幸せを祈っています。
これだけは本当だよ。
菊池咲月より