Jul 7 , 1999
二往目
short long story
すばるちゃんへ
案の定と言うかなんと言うか、借りたままだったCDが出てきたのでお返しします。長いことごめんね(>_<)お詫びにこちらの名産のお菓子も送ります。
こっちは水は不味いし、何にもないところだけど、食べ物だけは美味しいです。むしろそれだけが取り柄って気もするけど(笑)
ねえ、昂
私は、貴方を好きになれてよかったよ。
だけど。
それなのに。
好きにならないほうが、良かったのかな。
言わない方が、良かったのかな。
そうしたら、今でも前と変わらずにいられたのかな。
ずっと、すばるちゃんの友達でいられたのかな。
可笑しいよね。
単なる幼馴染でいるのが辛くなって、昂に気持ちを伝えたのに。
ごめんなさい。
淋しさに支えられている恋が長く続くわけない。そんなこと当然分かってるつもりだったのに。
知らない町で、思い出すのはすばるちゃんの優しさばかりで、それに縋るようにぬいぐるみを抱いて、そんなきっかけで始まった恋なのに。
小学校、中学校と、遠くに住んでた私のことを、透やありさと同じ幼馴染だって言ってくれるだけで、幸せなことのはずなのに。
あたしは欲張りだから、もっと、もっと、といろんなものが欲しくなってしまうから。
それで結局、いろんなものを失ってしまうのに。
ごめんね。こんな暗い話して。
ただ、すばるちゃんのことを好きになれてよかった。
それだけを伝えたくて。
最後まで読んでくれてありがとう。
さつき
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