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苑子さんのいる生活

高校生の頃に元ネタを考えたもの。
こんなことをしている受験生だったため入試に失敗したのかもしれないw


此処から―――――――――――――――

3日ぶりに苑子さんから連絡があった。桃をもらったので食べにこないかというお誘い。
いただけるなら何でもありがたい僕は、早速出かけることにした。

「あら、シンジちゃんいらっしゃい」
僕が訪れたとき、苑子さんはムームーみたいなものを着て太陽の塔の真似をしていた。
「こんにちは。桃食べに来たよ」
「冷蔵庫に入ってるわ。真ん中の段から食べて。足が速いから」
東京タワーの真似事を始めた苑子さんをその場に残して冷蔵庫を開ける。なるほど確かに、冷蔵庫の中段には腐る直前の桃が3つ鎮座していた。
「3つとも食べていいわよー」
ペンシルタワーの苑子さんの声が聞こえた。

「でね、人に物をあげるって難しいのよね。私は常識人だから常識的な選択をし続けてるけど」
僕と苑子さんはひたすらに桃を消費しながら贈り物談義をする。
苑子さんはこれまでに様々な贈り物をもらってきたそうだがインパクトで言ったら抜きん出ている物がいくつかあるらしい。それらはこんな感じだ。

金のなる木
苑子さんが小学5年生の時に、友達の長瀬みゆきちゃんがくれたそうだ。渋い小学生である。
何でも引っ越し祝いだったとか。それにしても渋い。

・エプロン
これは高校1年の時らしい。何でもクラスの男の子からの頂き物らしいが、彼は一体どういった了見でこんなものを贈ったのか気になる。
誤解のないように言っておくと、デニムのいたってシンプルなデザインのものであり、決してひらひらふりふりはしていない。断じてない。苑子さんの名誉にかけて否定しておこう。

・はにわ人形
これは人形というよりはぬいぐるみである。茶色ではにわの形をしている。それだけだ。
友人の関田郁江ちゃんにもらった。
どうやら関田郁江は変わり者であるということを察することができる。

「なかなかにびっくりできるね。苑子さんは何か変わった贈り物したことないの?」
2つ目の桃を食べながら僕が聞くと、苑子さんは鼻で笑った。
「常識人の私は変なものを贈らないの。唐辛子入りのチョコレートとかドリアンチップスとか普通のものばかりよ」

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コメント

うちにももうそろそろ食べる時期が限界の桃がありましたw
おいしく頂きました♪

僕は贈り物には恵まれているらしく、素敵なものばかりですv
。。袋いっぱいのぬいぐるみとか。。w

ところで太陽の塔の真似ってどんなでしょう?wむーむー?

芸術は爆発です。
そして、ムームーはハワイの正装ですw

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