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鴨川奇譚 第一話

いつぞやの焼き直しです。
少し手直しをしました。
選択肢によって結末が変わるのか!?

此処から――――――――――

元気にしてますか?
貴方がいなくなっても、こちらは特に変わってないです。
みんな相変わらずだし、世界も相変わらずです。
もう3ヶ月も経つんだね。
今の環境に何の違和感もなく順応している自分が、少し嫌いだったりします。
ご飯はちゃんと食べてますか?
洗濯物とか溜めてないですか?
私の方は…

地下鉄で20分、バスに乗り換え30分。それから徒歩で5分。
会社から自宅アパートまでの所要時間。
夕食は帰り道で済ますこともあれば、コンビニ弁当のこともある。
焼き魚定食を食べるか、味噌ラーメンを食べるか、のり弁を食べるかの違い。
ルーチンってきっと、こういうことを言うんだろう。
形だけのエントランスを通り、ポストの中のDMを備え付けのゴミ箱に捨てる。
コンクリート製の冷たい階段を5階まで上がる。
左から3番目の部屋、鍵を開けて無人の暗い部屋に入る。
何より先にするべきは電気をつけること。
そんなルーチンワークが、今日は違った。

ドアの前に、ある。
なんだか分からないけど、ビリジアングリーンの塊。

「あ…」

塊が動いた。

この色。
深い深い緑色。
この色を知ってる。

「ソノコ…?」

顔を上げてこちらを見る。
何か用?そんな風に尋ねているようにも見えた。


選択肢
連行する
強制収用

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