December 2008

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鴨川(仮) 第5話

5年が経った。
あれから何の音沙汰もない。どこで何をしているのかも分からない。
そんな折、あの曲を見つけた。
ソノコは懸けていたんだろう。あの生活が、いつまで続くか。
到達点を決めて、そこへたどり着いたら、ジ・エンド。
あの日、ソノコは何らかの決意を胸に俺を訪ねたのだろう。
結局、ほとんどのことが分からないままだ。
もう、忘れてしまおう。
彼女が残したこの曲が終わったら。

♪ふたりーでかーもがわーにゆこーう
  まーなつのみずーべにゆこーう
  やさーしかったあーのよーるのかわーのなーがれーをみーにゆこーう
  さよーならはそーこでゆおーう
  あのーはしをまーたわたろーう

さぁ、いつの話だったかしら。
つい昨日のことのような気もするし、何十年も前の出来事にも思えるわ。
それから?あぁ、京都を出てからね。
覚えてないわ。ええ、何も。
気付いたらここにいた。それだけのことよ。
家族なら何度か会ったわ。ときどき訪ねてくるの。
ねぇ、もういいでしょう?話し疲れたわ。
眠いの。眠らせて頂戴。
眠ると、眠る前の記憶が曖昧になるの。
夢の中で何度もあの川を見てる所為かしらね。
ごめんなさいね。おやすみなさい。

〈完〉

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