June 2011

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クリスマスソングの考察

久しぶりの更新です。
久しぶりすぎて、何ヶ月ぶりか思い出せません(現実逃避)。
確認しろよ
12月なのでクリスマスネタで。

ここから――――――――――

「苑子さーん。ケーキとチキン受け取ってきたよー」
ども。今日も元気にパシられてます。
クリスマスなのにパシられてます。
「きぃっときみはこ~な~い~ひとりきりのくりすっま~す」
苑子さんはキッチンでサラダやらスープやらを準備している。鼻歌まで歌ってご機嫌だ。
「くぅ~り~すますきゃろるがぁ~な~り~ひ~びくころにはぁ~」
どうでも良いけど、選曲にジェネレーションギャップを感じる。

「苑子さんって大学で民俗学専攻したんだよね?」
「それが?」
2本目のシャンパン開けたぞ…。
「何でクリスマスソングはあんなに、明るいメロディに暗い歌詞が多いの?」
積年の疑問だ。歌手というのは自虐的精神の持ち主が多いのだろうか。
「そんなの簡単よ。暗いメロディに暗い歌詞だと余計に気が滅入るじゃない」
断定された。
「でも、そんなに暗い歌ばかり歌わなくても…」
「らぁ~すとくりっすますあぃげぶまぃはぁ~ばっべりねくすでぃゆげびあうぇい」
「でぃーすいー」
「いーい、シンジちゃん。クリスマスに幸せな人間は、BGMがなんだろうと気にしないの。問題はそうでない人間なの」
びしっと指を指された。僕はそうでない人間なのか…。
「クリスマスなのに1人。これで生まれてから恋人と過さないクリスマスの回数と年齢が同じだ…。来年こそはと去年サンタさんにお願いしたのに…。なんて人が、べったべたのあっまあまのクリスマスソングを聴いたらどうなるの?街中で暴動が起こるわよ!寂しい人たちをなだめるためにクリスマスソングは不幸なのよっ!」
苑子さんはそれだけ一気にまくし立てると、シャンパンをラッパ飲みした。
そういえば、去年もその前も、クリスマスは苑子さんの家で過したような気がする。
苑子さんもそうでない人間なんだと思うと、少しだけ気分が晴れた気がした。

comments

短い小説だけど、感情移入しすぎてディスプレイ前で喜怒哀楽を出し過ぎてしまった。

これは良い短編!

comments

>みむらさん
予想以上に早いコメントがw
冒頭に
『親愛なるみむらさんに捧ぐ』
って書くの忘れました。
今更ですが、差し上げますw

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