June 2011

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梅の木 枇杷の木 無花果の木

久々に苑子さんシリーズ。


ここから――――――――――――――――――――
久しぶりに苑子さんから呼び出された。
荷物を取りに来い。と苑子さんが言うから尋ねてみたら、ドアの向こうから嬌声が聞こえた。
「あ、シンジちゃん。この子達とっとと持って帰ってくれない?」
「あーシンジくんだー。ひゃっほーい」
「おにいしゃまー。まってたのですー」
3人分が同時に聞こえた。
「美結と初音!?なにしてんだよ、こんなとこで!」
部屋の中では美結と初音が苑子さんと一緒にトランプをしていた。と、
「こんなとこで悪かったわね」
と苑子さんにはたかれた。

「で、お前たちはここで何をしている?」
じんじんする頭をこすりながら尋ねる。二人とも苑子さんとの面識はあるものの、二人だけで遊びに来るほど親しくはないはずだ。
「おにいしゃまが最近はちゅねに構ってくれないからみゅーにお願いしたです」
「はちゅねに『愚兄が最近冷たいからなんとかしろやー』って頼まれたの」
「シンジちゃん、この子達うるさい」
分かったから同時にしゃべるな。
「シンジくん最近デートに誘ってくれないけど、ほかに女でもできたんじゃないの?」
「おにいしゃまは最近はちゅねのことなんてどうだってよくなってるに違いないです」
「そういえば随分ご無沙汰ねぇ」
こいつら・・・。

連れて帰れと呼び出されたはずが、結局4人で夕食を食べる羽目になった。
女3人集まれば、姦しいなんてものじゃない。だんだんこちらがいたたまれない気分になってくる。
「シンジくーん、こっちの煮物も食べて」
「美結作?」
「あ、それは美結ちゃんので、こっちは私の」
「苑子さんの方ください」
「えー、彼女の作ったもの食べないなんてひどいよシンジくん」
「みゅーの煮物は酒臭いですよ」
「右に同じ」
「えっ、ちょっとみんなひどいよぉ」
ちなみに、苑子さんは料理上手で、初音は料理を全くしない。美結は下手の横好きで、よく作る割りに美味しくない。
「シンジちゃんも女運悪いわねぇ。彼女は料理下手で、妹は包丁すら握れないんだから」
全くだ。2人とも少しは苑子さんを見習って欲しい。
「あーっ、みゅーがはちゅねの分まで食べてるですーっ」
「残してるから食べてあげるのよ」
「返してーっ」
「うるさーいっ」
「…」
こうして今日も夜が更けていく。

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苑子さんの周りもにぎやかになってきましたねw
これからまた楽しみです♪

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