今回のノーベル物理学賞に想うこと

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ノーベル賞:物理学賞に赤崎、天野、中村の3氏 - 毎日新聞
スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2014年のノーベル物理学賞を名城大(名古屋市)の赤崎勇終身教授(85)、名古屋大の天野浩教授(54)、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授(60)= ...

青色発光ダイオードの実用化に関する研究で、日本の研究者が表彰されることになりました。(表彰はいつなんだろ?)

最近は日本の科学技術に関する話題(良いことも悪いことも)が多く、そして多くの人の関心が科学に向いている。
とても良い傾向だと思います。
ものづくりを趣味にするような人も増えてきているようで、とても嬉しい。

今は全然別の分野の仕事をしていますが、
大学~卒業後数年の頃、半導体物性を専門としていました。
今でこそ理解できていますが、ダイオード、トランジスタ、半導体レーザー等の動作原理を説明できないと、よく先生に叱られたものです。
青色発光ダイオード、窒化ガリウムについても勉強していました。今回の受賞内容の事がすでに実現された後ですが。
なので今回のこの表彰された研究分野は、非常に近いところにいます。結晶成長もやったことあるし、光らせたこともある。

正直ノーベル賞って、案外と近いところにあるものだと感じました。大それた話ですが。

じゃあ僕にノーベル賞が獲れるかというと、そうはいかない。

とにかく、何かひとつのことに没頭する。挑戦し続ける。何年も、何十年も。
そんなことが大切なんだろうと思いました。
それはノーベル賞に限らず、金メダルにしろ、優勝カップにしろ、一生に匹敵するような時間、何かをひたすら続けて、出てきた成果がその栄光に繋がる。
けどただやり続けたからといって必ず賞がもらえるわけでも、勝てるわけでもない。ということは肝に銘じておかないといけない。
そのことを分かった上で、敢えて挑戦する。失敗しても続ける。
そんな勇気と覚悟が必要なんだろうと思いました。

その勇気と覚悟で、自分の人生の色々な可能性を投げ出して一つに絞り、
ひとつのことに挑戦し続ける。けれどもそれは自分の為ではなく、家族の為もあったかもしれないが、ほとんどが人や社会や環境のため。
そう思うと、受賞者はある意味犠牲者だとすら思えてきた。
全人類の代表としてその課題に、人生を賭して取り組み、だけれども他の人がその恩恵を受ける。
受賞はある意味損害賠償だ。自分の人生を他人のために使ったことに対する、補償。
好きでやっているんだからいいだろうという意見もあるかもしれないけれど、こういうことずっとやっていると嫌なこともあるよ。
頻度で言えば嫌な事のほうが多いかもしれない。何千、何万の失敗と、たった1回の成功が釣り合っているかというと、わからないよ。
それでも、続けた人だけが、少しだけ補償を受ける。保険みたいなものだね。
もちろん、受賞されるような人達の影で、人知れぬまま覚悟し、成果を出し、それでも補償されず忘れられていってしまう人達もいることを忘れちゃいけない。

何が言いたいかというと、
栄光は、案外と近くにあります。
あとは、そこに飛び込む勇気と、命をかけ犠牲となる覚悟。
それと、自分を犠牲者だと思わないくらい、嫌なことがあっても続けられるくらい、そのことが「好き」であること。

まあ、受賞した人は総じて受賞を目的とはしていない事からも、わかると思いますが。

お会いしたことも無いですが、ただ、同じ名古屋地区で同じ分野の研究をした事がある。程度の者ですが、
ニュースを見て、お礼を言いたい気持ちになりました。ありがとうございます。
ノーベル物理学賞受賞、おめでとうございます。

平和賞?関心はあるけど興味はないね。

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