画像処理屋によるデジカメTips06(撮像素子の構造と仕組み)
Category:Photograph
Tags:Camera, Photograph
はやし@color_chipsです。
連載、頑張ってるねと自分に言いたい。
カメラで重要なパーツが、撮像素子とレンズです。
前回まではレンズについての話をしました。そこで今回は、撮像素子について。
ちょっとコラム的な話なので、撮影テクニックには直接関係ないかもしれませんが、知っておいて損はありません。
撮像素子の構造としくみ
実は撮像素子は、太陽電池と同じ構造をしています。
太陽電池では光を電気にしていますが、撮像素子はそれの小型版です。
素子は光を受ける受光部と、電気信号に変換し転送する部分に分けられます。
この素子の受光部に光が当たると、光の強さに応じた電力(電気信号)が発生します。
この信号を、取り出せば良いわけです。
この素子を縦横に、たくさん、緻密に並べて、素子ひとつの時と同じように当たった光に応じて変化する信号を取り出して並べると、光の強さが2Dの画像として見れるわけです。
この、はじめに考えたひとつの素子が、「画素」です。
さらに、このままでは光の強さだけなので、モノクロの画像なのですが、
素子の前にカラーのフィルムを置いて、その色のみの光の強さだけ取り出すことができます。
こうすることで、カラー画像も実現出来るというわけです。
こんなことが出来る素子が高々35mmの中に何百万画素もあって、今の高解像度なデジタル画像は実現します。
よくよく考えるとすごいことです。あんな小さな携帯電話にも入ってますからね。。
CCDとCMOS
以上で説明終わり。ですが、以下はコラム的なお話。
撮像素子には大きく2種類あります。名前を聞いたことあるかもしれませんが、CCDとCMOSと呼ばれるものです。
デジカメをかじりだすと、どちらがいいんだろう?と気になる単語ですよね。
CCD
一般的に(CMOSに比べ)、
- 画質が良い、感度が高くノイズが少ない
- 高価(製造コストが比較的高い
- 低速(画像信号の転送に時間がかかる)
- 消費電力が高い
CMOS
(CCDに比べ)
- 安価、低消費電力
- 感度が悪くノイズが出やすい
- 高速
- ローリングシャッター現象が起きる
近年では、ノイズ処理技術が向上しCMOSの画質がCCDに追いつきつつあり、その差はあまり気にしなくて良くなって来ました。
それどころか、2000年以降を見るとCMOSの課題がほぼ解決され、CCDよりもCMOSへの注目度が高いです。
ローリングシャッター現象
昔のiPhoneなどで、画像が歪むような現象がありました。(いまでも?)
これは、ローリングシャッター現象によるもので、簡単に言うと画像の上側での撮影タイミングと画像の下側での撮影タイミングが違うため、動いている物を取ると歪んで見える。というわけです。
コレを使うと、いろんな面白い画像が撮影できるみたいですね。
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デジカメではこの問題を解決するよう工夫されていて、「機械的なシャッターと組み合わせる」「気にならないくらい高速に素子を動作させる」等で解決しているようです。
なのでCMOSと言えど、最近ではCCDとさほど変わらない(むしろCMOSのメリットの方が大きい場合もある)ので、気にしなくてもいいと思います。
次回は、引き続き撮像素子についてのコラムを。
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