画像処理屋によるデジカメTips04(最低撮影距離というものを意識する)
Category:Photograph
Tags:Camera, Photograph
はやし@color_chipsです。
何とか続いていますね。連載。
今回は、『最短撮影距離』についてです。
言葉そのままで、単純に言うとカメラ(レンズ)によって撮影可能(ピントが合う)な撮影対象までの「最短距離」です。
色々定義がありますが、ほとんどがレンズ先端からの距離です。
■前回の記事
画像処理屋によるデジカメTips03(被写界深度ってなんだ?) | Photograph - color pencils
なので、『ピントが合っている』というのは、「ここだ!」とはっきりとは決まらず、「だいたいこの辺りから~この辺りくらいまでがピントが合ってると言えるかな~?」といった感じです。 ...
最短撮影距離?
前回の、被写界深度の所で話をしたピントの合う撮影距離の続きみたいな話です。
前回はレンズを動かしたり、カメラを動かしたりしてピントを合わせました。ですが、もちろん限界もあります。
遠方のピント
レンズは遠い側へは無限の距離(無限遠)までピントが合わせられます。
前回の『錯乱円』の話を思い出すと理解が早いです。
無限遠からの光はほぼ真っすぐレンズに入ると考えられるので、無限遠あたりで多少撮影距離が変化してもほとんど光の向きは変化しません。結果、撮影される像に大きな変化が無いため、ピントがほとんどズレません。
そんなに苦労せず無限遠にピントが合わせられます。
近方のピント
この近い方が問題です。近い方へピントを合わせるには、レンズを撮像面(CCD)の方向近づければ良かったですね。
ですが、もちろんレンズ・カメラの筐体もあるので近づけるには限界があります。
このように、光学的・機械的な理由でどこまで近いところでピントが合わせられるかという『最低撮影距離』が決まっている。というわけです。
これを変えるには、レンズあるいはカメラ(その両方)を違うものに取り替えるしかありません。
つまり、購入時に注意するべきスペックの一つ。ということになります。うへぇ。(何
最低撮影距離を意識する
この最短撮影距離を意識しておくと、不用意に近づきすぎたりすることが減り、逆に、どこまで近づけるかがわかるので、とっさの撮影でも最適なアングル・距離で狙えます。
はじめは僕も勘違いしていて、レンズの焦点距離で決まる値だと思っていましたが、同じ焦点距離のレンズでも、千差万別違います。(当然ながらレンズの用途によって変わってくる。)なので注意が必要です。
また、ズームレンズでは、この距離がズーム位置によって変わるので、ちょっと注意が必要です。(基本的にズームすると最低撮影距離は長くなる)
前回の話と総合すると、
『良い感じの「ボケ」で撮影するために、被写体をズームで拡大するよりは、自分の足で、被写体に近づけるだけ近づいて撮影する方が良い。』
ということになります。
もちろん被写体まで近づくことが出来ない場合は、ズームレンズという選択肢は非常に有効です。
ちょっと話がそれてしまいましたが、この『最低撮影距離』はカメラ(レンズ)のスペックにも書いてあるので、ぜひこの値も選ぶ基準にして欲しいと思います。
もちろんコンパクトデジカメでもこの最低撮影距離(マクロ撮影時の最低撮影距離)はあって、僕は結構重要視しています。
■所持している(所持していた)コンデジの比較(レンズ関連のみ、メーカーサイトから転載)
- DMC-FX30(Panasonic)
- レンズ : 4.6~16.4mm(35mm 判換算: 28~100mm相当)
- 撮影距離 : 通常時50cm〜∞、マクロ時 :ワイド端5cm/テレ端30cm~∞
- IXY Digital 210IS
- レンズ : 5.9~17.9mm(35mm判換算: 33~100mm相当)
- 撮影距離 : 通常時30cm〜∞、マクロ時 :ワイド端3cm〜50cm/テレ端未記載
光学的にどこまで近づくことができるかは、カメラとレンズの組み合わせで決まってしまうので、レンズ交換式カメラよりもコンパクトデジカメを選ぶ時のほうが注意するべきかもしれませんね。
うちの娘はカメラ向けるとすごい勢いで近づいてくるので、撮影がなかなか大変(汗)比較的近距離での撮影では意識しています。
この最低撮影距離、個人的に非常に重要なスペックだと思っているので、一度チェックしてみてください。
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