画像処理屋によるデジカメTips05(焦点距離と撮像サイズ)
Category:Photograph
Tags:Camera, Photograph

 
はやし@color_chipsです。 
何とか5回目の連載(Tips0からだと6回目)ですが、肝心な事を忘れていました。 
そこで今回は、忘れていた『レンズの焦点距離』についてです。  
焦点距離って?
言われてみるとあんまりよくわかっていない(僕だけ?)項目かもしれません。 
レンズを見ていると、一番メインのスペックに、「焦点距離」というものがあります。中学校の理科で習ったあの焦点距離です。 
勉強はしたくないですが、おさらい。 
 
 
焦点距離が短いと、写る像が小さい。 
焦点距離が長いと、写る像が大きく(小さいものが大きく映る)なります。 
なので、遠くのものを大きく写したいときは、焦点距離が長いレンズ(望遠レンズ)を選択することになります。 
(実は図を描いていて自信が無くなりました。間違いがあればご指摘ください…。)  
よくテレビや雑誌で見る、バードウォッチングなどで、大きくて重そうなレンズの付いたカメラで撮影しているのを見かけますが、焦点距離の長いレンズは一般的に大きくなります。重いので三脚に付けて、が一般的。手で持つとブレるどころか狙えないですしね。 
 
  
焦点距離は単純にこの『大きく』写すか『小さく』写すかという、レンズ特有の数字のことです。 
ただ、大きくし過ぎると、撮影範囲から外れてしまいます。(見切れ) 
なので焦点距離は正確には、『狭く大きく』写すか『広く小さく』写すかの尺度。というわけです。
『狭く大きく』と書きましたが、カメラの撮像面のサイズが限られているため、大きく写せば当然写る範囲は狭くなるという寸法です。  
『35mm換算』???
「35mm換算」というような文字を良く目にすると思いますが、これって一体何?と僕も疑問に思いました。 
正確には、「35mm版換算で210mm」とか言いますね。 
焦点距離が長いレンズでは大きく写せますが、同じ焦点距離でもカメラによって出来上がりの画像が違ってきます。 
何が違うかというと、(先程から話が出ていますが、)『写る範囲』(視野サイズ)が異なってきます。  
昔のカメラはすべてフィルムのため、『レンズの焦点距離が「○○○[mm]」だ』と言えばどれくらいのサイズで写真に写るかすぐ分かりました。 
それは撮像素子(この場合はフィルム)のサイズ(フィルムのサイズは対角「35mm」)が決まっていたから。  
が、各メーカー様々なデジカメが開発され普及しました。同じ焦点距離のレンズを同じ条件で使っても、デジカメそれぞれの撮像素子のサイズ違いのため、同じような大きさでは写らないという現象が起きます。 
なので『35mm換算』云々というのは、昔の35mmフィルム(フルサイズ版とも言う)を基準に統一表記するためのようです。要はカメラ業界の専門用語なので参考にはなるけれどあまり気にすることはありません。  
じゃあどんなものを選べば良い?
正直、『どんな物を撮りたいか。』ということをカメラ屋さんに訪ねて、自分のカメラに合うオススメのレンズを聞いてみるのが一番早いです。 
『焦点距離』はレンズのスペックによく書いてありますが、レンズとカメラの組み合わせで決まるパラメータなのです。 
(ただ、例えばこのメーカーのカメラに別メーカー(別仕様)のレンズを(同じ条件で)付ける。ということがほとんどできないため、ほとんどレンズ固有の値になっていますが。)  
- 焦点距離が長くなれば、『狭く』、『大きく』撮れる
- 焦点距離が短くなれば、『広く』、『小さく』撮れる
とおぼえておけばOKです。 
それ以外にも前回紹介した『最低撮影距離』や『開放F値』など、重要なスペックはありますので、いずれまとめたいと思います。  
次回は、撮像素子自体に注目したいと思います。
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