画像処理屋によるデジカメTips07(もっと撮像素子について)
Category:Photograph
Tags:Camera, Photograph
前回に引き続き、撮像素子についてのお話
デジカメではカメラによって、撮像素子のサイズが異なってきます。
この撮像素子を気にしなきゃいけないのは、レンズ交換式のカメラで、新しいレンズを手に入れるとき。
レンズと撮像素子との関係で視野角や明るさが決まってくるので、目的があって狙ってレンズを選ぶなら重要です。
撮像素子のサイズについて
撮像素子のサイズが違うと何が変わってくるのか?
大きい撮像素子では(一般的に)、
- 感度が高い(明るく撮影できる)
- 撮影できる範囲(画角)が広い
1.(大きい撮像素子なら)明るく撮影できる
撮像素子の大きさが違うと、(同じ解像度で比較して)撮影できる明るさがちがう。(素子自体の性能にもよります。)
単純に撮像素子が大きければ大きいほど、それだけ1画素あたりの面積が大きくなるため、より光を取り込みやすくなるということです。
2.(大きい撮像素子なら)画角が広い
撮像素子の大きさが違うと、同じ焦点距離のレンズでも撮影できる範囲(画角)が変わります。
これは図で見てみるほうがわかりやすいですね。
この場合、適切な焦点距離のレンズに変えてやれば、画角が同じになります。
市販のレンズは普通、カメラに合わせて設計されています。言い換えると、撮像素子に合わせて設計されています。
大きい画角で、明るく、撮影したい場合は大きい撮像素子が良い。だた、加えてレンズも大きくなってしまいます。
小さい撮像素子には大きいレンズは意味が無いし、大きい撮像素子に小さいレンズでは撮像素子が勿体無いということになってしまいますからね。
以前にも書きましたが、画角を比較するために35mm換算の焦点距離という数値で比較します。この換算値からどんな視野の画像が撮れるか、メーカーによらず分かるということです。
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買ってしまったカメラでは当然撮像素子のサイズは選びようがないので、気にしないでください。
それよりはカメラを購入する時点でどんな被写体を撮りたいのか決まっている場合にちょっと気にしてみてください。
それを選ぶということは、撮像素子のサイズというよりは『コンパクトデジカメ』なのか、『ミラーレス』なのか、『フルサイズの一眼レフ』なのか云々という選択になると思います。
レンズもそれに合わせて大きく高価なものになってきますね。
なんというか、予算との兼ね合いですね(汗)。
撮像素子のサイズとボケ、被写界深度との関係
撮像面のサイズとレンズの焦点距離の話が出たので、もう少しだけウンチクを。
ここで思い出して欲しいのが、『被写界深度』、『許容錯乱円』といったキーワードです。
コンパクトデジカメと一眼レフでは一眼レフのほうが撮像素子が大きいのでボケやすい(よい『ボケ味』の写真が撮れる)と言われています。
実は、撮像素子のサイズが要因ではなく、その撮像素子に合うレンズが違うためです。
撮像素子のサイズが違うと、同じ画角で撮影しても、レンズの(実際の)焦点距離が違うためボケ方が変わります。
(実際の。と書いたのは、35mm換算ではないよ。という程度の意味です。)
これも言葉で説明するより、図で考えてみるとわかりやすいと思います。
このとき、同じ距離にある物体にピントがあっていたとして(下図、赤矢印)、その後その物体が移動した(同、緑矢印)ことを考えてみます。
すると、
同じ距離で同じ画角で撮影しているにも関わらず、実際の焦点距離の違いのため撮影できる像の光の集まり方(集光)が変わってしまい、ボケかたが変わっていることがわかります。
※このとき、『同じ画角で撮影する場合』で比較していることに注意してください。違う画角で撮影する場合は、この限りではありません。
つまり、撮像素子サイズが小さくなるほどボケにくい。
というわけではなく、
小さい撮像素子に合う焦点距離の短いレンズでは、被写界深度が深くなるのでボケにくい。
というわけです。
こう考えると確かに、ボケを狙った(お笑いじゃないよ)撮影をするときは(レンズの焦点距離が大きくなる)撮像素子の大きい一眼レフ等のカメラの方が有利ということになります。
やはりここでも予算の壁が突き立っているというわけですね(汗)
次回は、レンズの『絞り』についてもうちょっと詳しい話ができればと思います。
そろそろネタも尽きてきたので、リクエスト等も受け付けたい!見ている人がいるのかわかりませんが、よければぜひ!
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